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海藻処理について(海藻問題検討会のまとめ)

検討会設置時期

2003年2月~2004年9月 全4回開催

検討会設置目的

海藻処理(埋却処理)の問題整理及び今後の方向性を定めるため。

海藻について

・自然の産物でごみではなく、必ず処理が必要ではない。
・長時間放置すると悪臭や虫が発生し、不快なものである。
・財団では、年間に約2,000t~6,000tもの海藻を処理している。(※調査当時)
海岸ごみ処理量の50~80%強の割合を占めている。(平成5年度~15年度)
・市町別平均値では鎌倉市が一番多く処理している。(平成5年度~15年度年間平均約2,500t)
・7・8月と3・4月(夏・春先)にかけて多く海藻が漂着する傾向。(H15年度)

海藻処理方法について
財団での処理方法

混在しているビニール、ペットボトルなどの人工系のごみを取り除き、海水がかからない砂浜上部に深さ1.5mの穴を掘り、海藻を入れた後に50cm程度の砂をかける。
* 年間埋却可能量 砂浜1㎡当たり海藻2㎥
* 平成9年度に行った「海藻埋立実験」で、当面妥当な方法であるとの結果が出ている。

埋葬処理以外の方法の評価
・METAKLES[メタクレス]

METAKLESとは、鹿島建設株式会社が研究・開発している生ごみのバイオガス化技術のこと。鹿島建設株式会社で調査を行ったが、海藻からバイオガス発生の可能性はあるが、安定性、コスト面も併せて考慮すると実現の可能性は低い。

・食料としての利用

相模湾沿岸では、カジメ、アラメなどの食習慣は見られず、また保存などが難しいことなどから、食料としての利用可能性は少ない。

・飼料としての利用

処理の問題(砂の除去・脱塩・乾燥など)や量・質的に安定した入手が困難なことから、経済的・安定的な産業資源としての活用は不可能である。

・養殖用のえさとしての利用

アワビやサザエなどの貝類の養殖用のえさとして需要があるが、品質劣化や常時安定的な資源としての供給が不可能なことから、実用可能性は極めて少ない。

・肥料としての活用

脱塩が必要なこと、自然発酵に広大な用地が必要なこと、過大な設備の投入が必要であるため、経済性が極めて低いことなどから実現可能性が少ない。

・流れ藻としての活用

大洋を回遊する大型魚類の産卵場所・稚魚のゆりかごとして流れ藻は、ホンダワラ等の海面に浮く種類のものであるが、アラメ・カジメは水中に沈むものであるため、活用できない。

焼却処理について(専用処理施設の設置)

技術的には実現可能性が高いが、過大な設備投資と大量の助燃剤が必要となり、経済的理由からその実現は極めて難しい。

焼却処理について(市町ごみ処理場へ搬入)

現状の塵芥焼却量の実態から見て技術的には実現可能性が高いが、焼却した際のダイオキシン発生及び塩害による焼却炉の消耗などを考慮すると実現の可能性が少ない。

まとめ

 海岸利用頻度や自然環境などを考慮したうえで、必要な処理を実施する。 

 処理方法は、当面これまでどおり、「埋却処理」を実施する。しかし、新たな処理方法の可能性を検討する。

 「埋却処理」で話題になる「海岸砂の黒色現象」については、必ずしも海藻の埋め立てが原因ではないとの結果であるが、原因の追究をするための情報収集に取り組んでいく。