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海岸清掃事業

海をキレイにする

海岸清掃事業

海岸清掃事業 2022年度トピックス

2022年度 海岸清掃事業 概要
海岸ごみ回収量 合計:1,419トン ( 可燃:991トン 不燃:220トン 海藻:208トン)

令和4年度は、前半はごみが多く、後半はごみが少ないとくっきり分かれた一年になりました。
4月は周期的な春の嵐による漂着ごみ、5月はバーベキューごみ、3年ぶりの行動制限のない夏は放置ごみが目立ちました。
また、7月と8月は連休やお盆休みの直前に豪雨や台風に見舞われ、9月は3つの台風が襲来と前半は非常にごみが多い状態が続いていましたが、10月後半になると、それまでのごみが多いモードが一転。雨がほとんど降らず、相模湾沿岸は例年以上にキレイな状態が3月まで続きました。

4月 春の嵐が周期的に襲来

新年度が始まったばかりの4月3日に関東では前線を伴う低気圧の通過で春の嵐となり、それまでキレイだった海岸が一気にごみだらけになりました。
その後も、21日、26日と周期的に春の嵐が襲来し、その度に大量のごみを海岸にもたらし、ごみをやっと片づけ終わったと思ったら、次のごみがやってくる状況が続きました。

4月 マリンマーカー漂着

4月8日に、逗子海岸に英語で「可燃物」「重度の火傷の恐れあり」などの注意書きがされた金属製の筒状の物体が漂着しました。
これは、発煙筒の一種で、船などに積んで遭難の際に煙を出して位置を知らせる「マリンマーカー」であることが判明し、関係機関によって処理されました。

5月 バーベキューの炭を砂浜に埋める問題がニュースに

ゴールデンウィークから海岸に放置されるバーベキューごみが増えましたが、その中でも炭の問題がニュースになりました。
自然に還るのではという間違ったイメージから砂浜にバーベキューで使った炭を埋めていく行為が散見されました。しかし、炭は炭素の塊で、これ以上ほとんど分解せずに環境中に残ってしまうので、メディアを通じて、他のごみと一緒に炭もきちんと処理して持ち帰るよう注意喚起しました。

6月~7月 カツオノエボシが大量漂着

海開き直前の6月29日に、相模湾全域に猛毒のクラゲ「カツオノエボシ」が大量に漂着しました。
カツオノエボシとは、触手に強力な毒を持つクラゲで、普段、沖合に浮かんでいますが、南風強く吹き続けたため、海岸に吹き寄せられたと思われます。
美化財団でも清掃の中で回収を行ってきましたが、海開き後もこの漂着が続き、海水浴場でカツオノエボシに刺される被害が続出し、救急車が何台も来るような騒ぎとなり、大きなニュースになりました。

7~8月 戻った海水浴客 戻ったごみ

3年ぶりの行動制限のない夏で、多くの人が海岸を訪れたため、海岸には毎日大量のごみが残されました。
7月・8月は、藤沢市の片瀬東浜と片瀬西浜では『毎日』、鎌倉市の由比ガ浜・材木座では週5日、清掃しました。それ以外の海岸もごみの状況に応じて週2~3回の頻度で清掃しました。
機械清掃は、次の海水浴客が来るまでの間に実施するため、毎朝早朝5時からスタート。さらに、日中は18時まで人力で清掃しました。

7月・8月 休みを襲う豪雨と台風

7月は、海の日3連休直前の15日に大雨。
また、8月はお盆休み初日の11日に台風8号が襲来しました。
どちらも、一年の中で一番海岸に人が訪れるタイミングで、海岸に大量のごみが漂着し、ごみの多い休みとなりました。

9月 3つの台風

9月18日に台風14号の影響で大雨となり、相模湾全域の海岸に大量のごみをもたらしました。台風通過後に南西風が吹いたため、突堤などで南西から吹き流されてきたごみが引っかかりやすい平塚市高浜台や大磯町照ヶ崎は特に酷い状況でした。
14号のごみが片付けきれないうちに、24日には台風15号、そして28日には台風17号が襲来しました。
14号ではごみが海岸上段に、15号ではごみが海岸下段に漂着、最後の17号ではそれらのごみが波浪で海岸全域に拡散してしまいました。

10月 台風ごみの後始末に追われる

9月の3つの台風がもたらしたごみの総量は、通常の台風ごみの中の上ほどの量でしたが、上段→下段→拡散という、このごみの拡がりが清掃する側にとって、非常に厄介でした。
海岸の下の段のごみを片付けたら、次は上の段を片付けて、さらに全体的に薄くごみが拡がっていたりと、作業効率が上がらず、見た目以上に手間がかかりました。

10月~3月 安定した天気が続く。相模湾側はキレイで、東京湾側はごみが多い

相模湾側(鎌倉市七里ヶ浜)

東京湾側(三浦市唐池海岸)

10月も後半になると、それまでのごみが多いモードが一転。雨がほとんど降らず、相模湾沿岸は非常にキレイな状態が3月まで続きました。
海岸ごみの7割は川から。雨が陸域のごみを川を通じて海まで流出させます。その雨が少なければ、陸から流出するごみも少なくなります。さらに、相模湾側では海岸の多くが南に向いているため、たとえ雨が降って陸から海へとごみが流れ出ても、冬の北風が海から海岸にごみが打ち寄せるのをブロックします。
それと真逆だったのが、東京湾側の北向きの海岸。北風によって湾内に浮いているごみが海岸に吹き寄せ続け、連日、ごみの漂着が止まりませんでした。
上の2枚の写真は同日に撮影されたものですが、同じ神奈川県の海岸でも真逆の様相になりました。

2月・3月 クギが大量に露出

春先の強い南西風によって海岸の表面の砂が飛んで、砂の中から「クギ」が大量に出てきました。
これは、夏の海の家の解体時に砂浜に落ちたモノで、古いクギだけでなく、新しいものもかなりあり、海の家が建つほとんど全ての海岸で見つかります。
美化財団では、毎年千本単位で回収していますが、なかなか減らないのが現状です。

財団直営部隊における海岸清掃事業

7月から12月までの120日間、4人組1班体制で財団直営部隊が海岸清掃に取り組みました。
直営部隊は、ごみ量が多い場所や優先順位の高い海岸の清掃などを実施し、約148トンのごみを回収することができました。